2012年7月20日金曜日

加藤鷹の挑戦


昼飯を買いにコンビニに行く途中で、ふとあることを思い出しました。
1年半ほど前のニュースです。

カリスマAV男優・加藤鷹(48)が18日、都内で行われたピン芸人No.1を決める「R‐1ぐらんぷり2011」(来年2月放送予定)の第1回戦に登場し、2分間のネタ時間をフルに使って披露した「再就職コント」で2回戦へと進んだ。
AVネタを封印し、「第2の人生」をテーマとした正統派コントで勝負した加藤は、「AVは今や240分の時代。俺に120秒は短かったな」と余裕のコメント。練習は時間調整のための1回のみで“本番”に臨んだが、お笑いという“初体験”のステージでも合格点をもらい、そのカリスマぶりを見せつけた。
R‐1出場を志したのは、今年の王者・あべこうじ(35)の挑発がきっかけ。お笑いイベントで2年にわたり共演しているあべが優勝した際、副賞のカップ麺を送られ、「あいつがいけるなら、俺もいける」と火をつけたという。優勝した際には、賞金の500万円は全額エイズ予防財団へ寄付するといい、「厚生労働省に『加藤鷹』を認めさせる」と息巻いていた。
http://www.daily.co.jp/gossip/article/2010/12/19/0003684572.shtml

記事を読んだ当時は、
>「AVは今や240分の時代。俺に120秒は短かったな」
というコメントに笑っただけでしたが。。。
ここ最近、私自身、色々考えたり、悩むことも多い中で、彼の感染症に対する意識の高さを思い出し『そういえばR-1、あの後どうなったんだろう』と急に結果が気になり始めました。
買い物を大急ぎで済ませて事務所に戻り、さっそくネットで調べてみたところ。。。




・・・あっさり2回戦で敗退していました。

プロの壁は厚し。。。といったところでしょうか。
調べるうちにどんなネタを披露したのか気になり、引き続きネットで動画を探してみました。
1次予選を通過しただけですから、ひょっとしたら映像は残って無いかもなぁ・・・と思ってたんですが、案の定、「加藤鷹 R-1」で検索して出てきた動画はこれくらい↓。

加藤鷹、寿司を握る

ゴッドフィンガーが握る寿司って・・・あまりにもシュール過ぎます(;´Д`)
というかR-1と全く関係がありません(笑)。
動画が終わりに近付いたところで松嶋さんが事務所に戻ってらっしゃったんで、ちょっと話を振ってみました。

●が私
○が松嶋さん
です。

●「松嶋さん『R-1ぐらんぷり』ってご存知ですか?」
○「名前は聞いたことはあるんですけど。。。なんでしたっけ?」
●「M-1のピン芸人バージョンなんですけど」
○「あー! TVでちらっと見た気がする!! それがどうしたんですか?」
●「いや実は去年の大会に加藤鷹が出てたんですよね!」
○「加藤鷹って、誰?」
●「え!? 加藤鷹ですよ! しりませんか???」
○「はぁ」
●「カリスマAV男優で、どんな女性でも必ず潮を吹かせるというゴッドフィンガーの持ち主なんですが。本当に知りません?」
○「はい。あの・・・AVとかの情報って、やっぱり知っておいた方がお客さんに喜ばれるんでしょうか?」
●「いや、知らなくていいと思います。すみませんでした」
○「いえいえ。でも、結果はどうだったんですか?」
●「いやそれがですね。優勝したら賞金の500万円は全額『エイズ予防財団へ寄付する』って言ってて、予選の1回戦を突破して話題になったんですけどね」
○「へえ!すごいね」
●「2回戦で消えました」
○「・・・。はははは、そうなんだ。でも気持ちだけじゃなく実際に挑戦するのが偉いよね」

という感じで話は終了。
特に盛り上がった会話というわけではありませんが、松嶋さんについて『AVに疎い』という新たな面を垣間見ることが出来ました。
30代の半ばより下の世代の方だと、女性でもそれなりにAVの知識があったりして、鷹さんの名前くらいご存じな方が多いと思うんですが(広末さんのようにAV女優の生き様に興味を持ち、自伝を色々買い込んで熟読されるような方もまた珍しいと思いますが)。そういうものにまったく興味もなく、この世界に飛び込んでくる方もいらっしゃるんだなぁと。


それにしても。。。
どこまで本気だったのかわかりませんが、鷹さんの「厚生労働省にオレを認めさせるぜ!」というスケールの大きな発想には、私も『裸の業界』に属する者の一人として刺激を受けました。

AVとはちょっと違いますが、我々の業界も今後の課題として「より高い安全性」を追求するためには、最終的に行政のサポートが必要不可欠なんですよね。
例えば、現状では検査から結果が出るまでに1週間掛かかります。こんなに時間が掛かってしまうと、仮に結果を聞いたとき「シロです」と言われても、検査を受けてから結果が出るまでに感染しちゃっている、というような可能性もあるわけで。。。
「ぶっちゃけ検査する意味ってあるの?」
「無駄じゃね?」
というお店や女性が出てきちゃうのを避けられないですよね。やっぱり。

これが逆に「15分で結果が出ます」ということになれば、『検査代は店側で負担』ということで出勤日ごとに検査を義務付けるお店が増えてくると思うんです。そうすれば安全性は格段に上がります。
難しいのは、「その場ですぐ結果が出るようにしてください。お願いします」と頼んだところで、現状、お上はまともに取り合ってくれないって事ですよね。

悲しいかな、この業界は「男性のごく一部が利用する趣味性の高いもの」であって「社会のガス抜きとして必要ではあるけれども・・・それ以上でも以下でもない」という程度の認識しかされていません。そこで遊ぶ人・働く人のために、特別な予算つけたり「真面目に議論をして下さい」と頼んだところで、門前払いを食らうのがオチでしょう。
本気で行政を動かそうと思ったら、まず先に我々の側で予算を付けるに値する「真っ当な理由」を作り、「社会的ニーズ」を示してみせるしかありません。

そういう意味で今、私が気になっているのが『高齢者』の存在です。
というのも、若い女性ヘルパーの方々に話を聞くと、みなさん判で押したように「下の方もお願いできないかな」と頼まれた経験があるんですよね。
私はまだそういう年齢に達していませんので、その年齢の性欲というものを肌で理解することはできません。介護を必要とされるような年齢の方に、本当にそういうニーズがあるのかどうか。にわかに信じがたい部分もあります。
でも、もし本当にです。
それなりの数の要望があるのだとしたら。。。
それを利用した活動ができそうな気がするんですよね。

今後、高齢化社会の進行によって生じる様々な問題について、世間の注目度が上がることはあっても、下がることは無いでしょう。
高齢男性の多くが、「抜きたい」という気持ちを抱えているのだとしたら、社会としてそれにどう向き合い、どう処理するか?
これは、訴え方によっては議論する価値のある問題にもなり得ますし、ひとつの社会問題となりえる可能性も秘めています。

もちろん、議論に持ち込むためには、実際に性的サービスを受けたいシルバーがどのくらいいるのか、ちゃんと数(データ)として示す必要があるでしょう。
それを調べるためにも、いつの日か、オプションで性的サービスを受けられる介護サービス会社を作れないかと・・・。一風俗店スタッフの漠然とした『将来の夢』レベルの話ではありますが、考えています。

もちろん法的に実現可能なのかどうかキチンと調べたわけではありませんし、仮に作れるとしても、最初は間違いなく
「あ~はいはい、あの『お色気介護』でしょ?」
みたいな冷たい世間の目に晒されます。
それと向き合いながらどう採算を取るのか、普通なら恋人や旦那さんがいておかしくない妙齢の女性を、いかにして働き手として確保するのか、など簡単には解決できない問題がたくさんあります。
正直、今までならアイデア倒れというか『まぁ無理だろ』で終っていたと思います。
でも鷹さんの無謀なチャレンジをみていると、バカバカしく見えても諦めたら何も起こらないんだな・・・っていう気にはさせられますよね。

鷹さんには彼の知名度を生かしたムーブメントの起こし方があるように、我々草の根の事業者にも、やれることはあります。結局は、そのための第一歩を踏み出すハートがあるかどうかなんだと思います。
地道な活動によって、風俗に対する一般市民の意識を、今までのような「必要悪」から「高齢化社会において必要なもの」に変えていく。もしそれが出来れば、補助金がついたり検査体制を整えるべく役所が動き始める可能性も、わずかながら出てくると思います。

検査から結果が出るまでの時間が短縮されれば、真っ当なお店なら必ずそれに対応した安全管理システムを作るはずですし、そうすれば感染症の危険はほぼなくなります。
実現するかどうかわかりませんし、実現するとしてもずっと先の話でしょうが、自分にできることを毎日一つひとつ積み上げて行こうと思っています。



それにしても、最近『News+Topics』を書く時間がものすごく遅くなっていて、次の日起きるのが大変なんですが、明日はちょっと寝坊しても大丈夫なんです。
というのも。。。
申し訳ございません。明日(というか、明けて今日ですね)20日金曜日は、臨時休業させていただきます。
理由としては、先日も書きましたが、これ以上もう免許の更新を先延ばしにできないからです…orz
電話は私の携帯に転送になっておりますので、講義中以外は取れると思います。
明後日以降の事前のご予約、ぜひお待ちしております!